パラドックスとは「矛盾」のことです。
一見、理論的に合理性のある解答であっても、
別方向からの検証では「否」の解答に辿りつき、
総合的に矛盾を呈する状況のことを指します。
それが、血中カルシウム濃度と骨密度の関係です。
カルシウムはイオン化されて、始めて働きを成しますが
血圧の正常化や腎機能の正常化にも必要とされる
最も多用される微量ミネラルです。
その、ミネラルですが、りんと共に働くのですが、
ストレスによりイオン化されたカルシウムの消費が続くと
体内摂取されるリン、カルシウムと
消費されるリン、カルシウムのバランスが崩れ、
イオン化されたカルシウムが激減してしまいます。
命の危機に直面するため、身体は緊急性に応じて、
血中カルシウム濃度維持のために、骨芽細胞を使い
骨からカルシウムを補給する作戦に出ます。
もし、このカルシウム補給作戦が引き起こされる以下の
ような環境
偏った食習慣(加工食品を多く含む)や
ストレス(肉体的、精神的)の負荷等の長期化が続き、
改善されることがなければ、結果として起るのが、
骨密度低下から来る骨粗しょう症、疲労骨折です。
何故、加工食品を控えたいと、様々な分野で小さな声で
言われ続けるのかが、これが一つの理由です。
加工食品には「リン」が多く含まれるためです。
少少真面目にこのリンに関すること、記しておきます。
リンの過剰摂取のリスクについて
長期にわたってリンを過剰摂取すると、腎機能の低下や
副甲状腺機能の亢進、カルシウムの吸収抑制などが
起こることが知られています。
リンはカルシウム代謝と関係が深く、カルシウムとリンの摂取比は
1:2が理想的とされますが、加工食品の利用が多くなった今の
日本では、摂取比が3になることが多いとされています。この点が
懸念されるポイントです。
リンの働きについて
生体内のリンは約80%がカルシウム塩として存在しており、
骨や歯の成分となっています。
その他のリンは、生体膜のリン脂質、DNAやRNAといった
核酸の成分、また、ATPなど高エネルギーリン酸化合物として、
エネルギー代謝や脂質代謝などに重要な役割を担っています。
リンは小腸で吸収されますが、吸収、代謝については
十分には明らかにされていません。
成人におけるリンの吸収効率は60~70%です。
ヒトの血清中のリン濃度の正常範囲は0.8~1.6 mmol/Lで、
食事からのリン摂取量が、血清リン濃度と
尿リン排泄量に反映されます。
その際、副甲状腺ホルモンの分泌の割合によって調節され、
血清リン濃度は正常範囲内に維持されます。
血液中のリン酸塩は、血液のpHの維持や酸塩基の
平衡維持に関わっています。
ある程度の年齢になると、リンの摂取上限値が設定されています。
男女ともに3000mg/日です。