大好きなものが自分自身を傷つける事実は悲しい現実に見えるかも知れませんが
まずは、知っていないと対策も出来ません。
知識として
単糖類
α-グルコース(ブドウ糖)
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β-グルコース(ブドウ糖)
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フルクトース(果糖)
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ガラクトース
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上記の図にブドウ糖以外の果糖があります、それは「ガラクトース」です。
この果糖が要注意です。
このタイプの果糖 一般的にトウモロコシから抽出される砂糖でソーダなどの甘味製品 —
が食欲を増す脳の伝達経路を活性化する一方で
ブドウ糖は脳の満足感信号を誘発して、「もうじゅうぶん食べた」とメッセージを
発信することを示しています。
これを客観的な研究機関Journal of the American Medical Association
(全米医師会の専門誌)で、モニター検査(エール大学でMRI画像処理に掛け、果糖とブドウ糖の消費に関連した神経生理学的要因を特定)を実施した場合、
グループを2タイプに分けて行っています。
一つは「ブドウ糖」を摂取するグループと「果糖」を摂取するグループです。
結果は以下のようなものです。
ブドウ糖を摂取後に食べ物の写真を見せたとします、その時の脳の満足感や満腹感増加が記録
されました。研究者たちはここで以下のように述べています:
「ブドウ糖の摂取は視床下部、島皮質、脳線条体の活性を減少させました。
脳のこれらの野は食欲、動機、報酬の処理を調節しており、ブドウ糖の摂取で
視床下部と脳線条体の結びつきが強まり、満足感を増やします。
一方、果糖を摂取した参加者に食べ物の写真を見せた場合、眼窩前頭皮質の活性が
増加していました。
ここは薬物や食べ物等の報酬を求める動機を増やすことに関連した部分です。
Proceedings of the National Academy of Sciences USAに掲載されたその後の研究は
食物接近行動への砂糖の影響をもう一歩深めました。
果糖かブドウ糖を摂取した24人のボランティア参加者はfMRI撮影を受けながら、
高カロリーの食品や食品以外の物をブロック形式の写真を見続けました。
ブロックが過ぎるたびに、参加者は空腹感や食物への渇望度を格付けし、決定作業を
行いました。
この決定作業はすぐに食事がもらえるか後にすれば現金のボーナスがもらえるかのいずれかを
選択させるものです。
ホルモンレベルをベースラインで砂糖の消費後に30~60分してから測定しました。
その研究の著者は次のように説明しています:
「神経画像処理でわかったことと平行する事実として、果糖はブドウ糖より
空腹感を大きくし、食物への渇望を増やし、後からもらえる現金報酬を
進んであきらめ、目先の高カロリー食品を入手したい気持ちを強めました。
果糖はブドウ糖に比べ注意力や報酬処理を司る脳野の活性を高めること、
さらに食事を摂るという行動を促進することを意味します。」
以上の研究は摂取する砂糖の種類に注意することが重要なことを強調しています。
明らかに、果糖は充足感をいつ感じるかを司るようにできている脳の信号伝達メカニズムに
障害を与えます。
果糖はインスリンを刺激することができず、このためグレリン(空腹ホルモン)を
抑制せず、このためレプチン(満足感のホルモン)を刺激できません。
このため果糖を摂るともっと食べるようになり、インスリン抵抗が生じるようになります。
上のうち後者の研究は果糖摂取量が食品に対して衝動的な動機を与える影響があること、
このため身体は十分であるという信号を脳に送ったはずでもまだ食べたい状態になります。
想像がつくように、果糖を多めに摂り続けると過食の癖がある方の場合問題が大きくなる
ばかりです。
果糖は他のどんな栄養素より速く太る
果糖はしばしば液状(普通はHFCS:異性化糖)で消費するので、新陳代謝への悪影響は
益々ひどくなるばかりです。
HFCSはエネルギードリンク、スタミナドリンク、フルーツジュース、ソーダ、
スポーツドリンク、その他無数の甘味飲料に含まれています。
全ての果糖と同様に、HFCS:異性化糖はその他のどんな砂糖より速く体脂肪になります。
アルコールと同じで、果糖の代謝負荷は全て肝臓で受けます。このため過度に負荷が掛かり
肝障害に至るおそれが高まります。
果糖はアジポーズファット(いわゆる体脂肪)という危険なタイプの体脂肪を特に
増やします。このような脂肪は腹囲につくのが特徴で、心臓病のリスクを増加させます。
HFCS:異性化糖がサトウキビの砂糖と同量の フルクトースを含むとはいっても、
HFCS:異性化糖に含まれる果糖は炭水化物に結合していない「自由」な形態です。
対照的に、果物や砂糖(きび)に含まれるフルクトースは他の糖と結合しており、
代謝毒性は低いです。
果糖を大量に含む食品は(自然食品であっても)健康をだめにする近道です。
果糖を大量に摂ると起き易い健康上の問題:
- 関節炎、がん、通風、心臓病
- インスリン抵抗、メタボリックシンドローム、肥満、2型糖尿病
- 高血圧、LDL(悪玉)コレステロール、トリグリセリド、尿酸濃度
- 肝臓病、特に非アルコール性脂肪肝
HFCS:異性化糖に大量に含まれる遊離した果糖はクロム、銅、マグネシウム等の
ミネラルを心臓が利用できなくします。
さらに悪いことには、すでにご存知とは思いますが、HFCS:異性化糖は
しばしば遺伝子操作コーン由来です。
この種のコーンは健康上の懸念や副作用があることがすでに実証され文書化されており、
その大部分はグリフォセートやラウンドアップ(モンサント製品)の残留物が原因です
国内のメーカー
更にもう一つの危険
炭水化物代謝異常症のひとつガラクトース血症が引き起こす疾患は身体に
ダメージを与えるもので、細胞破損による肝硬変、毛細血管損傷による腎不全、水晶体に
浸透圧損傷を起こし発生する白内障、敗血症、髄膜炎などを引き起こし
言語障害、失調、測定障害、骨粗鬆症、早発閉経などの合併症を伴う場合があります。
参考、参照元
- Forbes April 1, 2012
- The Atlantic February 21, 2012
- Current Opinion in Clinical Nutrition & Metabolic Care 2013 Jul; 16(4): 434-9
- Neuropharmacology 2011 Dec; 61(7): 1109–1122
- CNN Health March 2, 2017
- The Best Brain Possible April 5, 2015
- American Journal of Clinical Nutrition 2013 Sep; 98(3): 641-7
- Panminerva Medica 2012 Sep; 54(3): 171-8
- Diabetes Care 2016 Feb; 39(2): 300-307
- The New England Journal of Medicine 2013 Aug; 369: 540-548
- Journal of the American Medical Association 2013; 309(1): 70-63
- Scientific American May 14, 2015
- Proceedings of the National Academy of Sciences USA 2015 May 19; 112(20): 6509-14
- Sugar Science, Hidden in Plain Sight